不眠症を解消させる上で知っておかなければならないのが不眠症の原因です。原因さえ特定できてしまえば、あとはその原因に合わせた対策を行なっていくだけです。ただ、不眠症の原因はいくつもあるのです。これから不眠症の原因として考えられるものを可能なかぎり挙げていきますので、最も当てはまると思われる原因をしっかりと把握しておくようにしましょう。
不眠症の原因は、
大きく5つに分けることができます。
さらにここから細かく分けていくことができますので、現在のご自身の状況と照らしあわせてみて、合致していることはないかチェックしてみましょう。合致している数が多いほど不眠症に悩まされている可能性が高いと判断できます。
- ストレスを抱えている
- 生活リズムが乱れている
- 朝起きてカーテンを開ける習慣がない
- 寝る前にコーヒーを飲んでいる
ストレスを抱えるとストレスを解消させるために交感神経が活発になります。交感神経は質の高い睡眠をとろうとしたときに邪魔になる存在です。質の高い睡眠をとるには交感神経の真逆の副交感神経を優位にしなければならないためです。なので、ストレスを抱えた生活を送っていると高い確率で不眠症に悩まされてしまうことになるのです。ストレスの解消法は人それぞれなので、自分に適した解消法を見つけることが大事です。
極端な例ですが、完全週休二日制で平日は仕事・週末は休みのAさんとシフト制の週休二日制で休みが週によってバラバラなBさんがいたとします。どちらも、休みの前の日は夜更かしをしがちという性格だったとしても、Aさんは休日の間隔が整っているので、土日だけ乱れたとしても5日間ある平日の間に生活リズムを整えられます。一方でBさんは2〜3日仕事をして休みというパターンになりますので、一度、生活リズムが乱れてしまうとなかなかもとの生活リズムに戻すことが難しくなってしまいます。理想的なのは寝る時間と起きる時間を仕事のあるなしに関係なく揃えてあげることです。
思わず「は?」と思われたかもしれませんが、実はこれはすごく重要なことです。私たちの体内時計は1日25時間にセットされていると言われています。つまり、体内時計をリセットしないと日にちの感覚が徐々にずれてしまうことになるのです。体内時計がずれると睡眠障害を起こしやすくなるわけです。朝一番にカーテンを開け、そして太陽を浴びることで体内時計の1時間のズレを直すことができると言われています。
普段からコーヒーを飲まれている方は多いですね。コーヒーにはカフェインが多く含まれています。カフェインは眠気を覚ます働きがありますので、仕事中に飲まれる飲み物としては向いているかもしれません。ただ、寝る前においてはカフェインは睡眠の邪魔になるものなので、寝る前にコーヒーを飲まれる習慣がある方はやめるべきです。カフェインはコーヒー以外にも、玉露、抹茶、ココア、栄養ドリンク、コーラ、紅茶、緑茶、ウーロン茶、麦茶などにも含まれます。玉露に関してはコーヒーよりもカフェイン量が多いので注意しましょう。
- 定期的に運動をしていない
運動不足は、そのまま運動不足が不眠症の原因となります。よく動いた日は眠りにつきやすい、このような経験は誰しもがあるはずです。運動不足になると筋肉的な疲労を感じなくなるので、眠りにつこうと思っても眠たくならないような事態に陥ってしまいます。日曜日が休みの方で月曜日の朝が辛いと感じるのも、日曜日にぐーたら過ごしているから=運動をしていないから、という可能性は非常に高いです。ただ、運動は交感神経を優位にする(=眠り神経を阻害する)ので、寝る直前に運動をしないようにしましょう。
- 栄養バランスが乱れている
- 寝る前に晩酌をする習慣がある
健康な体を保つためには栄養バランスの整った食生活を送ることがすごく大事です。ダイエットにもしても、美容にしても同じことが言えます。最近は炭水化物ダイエットが人気ですが、炭水化物は体のエネルギーになるもので、エネルギー(炭水化物)が不足すると夜の睡眠に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。だからといって食べすぎもいけません。夜寝る前に食べすぎてしまうと消化活動が活発になり、睡眠の妨げになってしまう可能性があります。何事においても食生活は栄養バランスを整えること、そして、タイミングが大事になってきます。
お酒を飲むと眠くなってしまうような方もいます。実際にアルコールは鎮静作用があるので、入眠しやすくなるなどメリットもあるのです。ただこれは少量の場合です。お酒をたくさん飲んでしまうと反跳現象を起こしてしまい、睡眠時間が短くなってしまう傾向にあると言われているのです。男性においては約10%、女性でも5%の方が夜寝る前に晩酌をする習慣があると答えているので身近な問題として捉えるべきです。第一にアルコールの過剰摂取は体に悪影響であるということを再認識する必要があります。
- 室温に合わせた格好で寝ていない
- 寝る直前までPCやスマホをいじっている
- 寝る直前まで部屋を明るくしている
入眠は問題がないけど、朝方になると目覚めてしまうようなパターンの方に多いのが、暑さや寒さを考慮した格好をしていないということです。夏は厚着のせいで暑苦しくなって真夜中に起きてしまったり、冬は薄着のせいで寒さに耐えられず真夜中に起きてしまったりすることがあるように、気温・室温に合わせた格好をして寝ないと不眠症に悩まされやすくなります。
昨今、不眠症に悩まされる方に多いのがPCやスマホの過剰使用です。PCやスマホの液晶から発せられる青色の光は脳を興奮させる働きがあると言われているので、寝る直前までPCをいじっていたり、スマホを見るような習慣があると不眠症に悩まされやすくなると言われています。特にスマホは顔を近づけて見がちなので、もろに青色の光の影響を受けると言われているので要注意です。眠れないからスマホをいじる、なんていうことは不眠の悪循環に陥るだけなのです。
私たちの体は、正常な睡眠を送るために脳からメラトニンという睡眠ホルモンが分泌されるようになっています。このメラトニンは、部屋が明るいと分泌されにくくなると言われているのです。500ルクス以上の明るい光によって分泌されにくくなると言われています。照明の種類によっても異なりますが、明るい部屋だと500ルクス前後の光が発せられるので部屋の明るさが不眠症の原因となる可能性は高いです。寝るときは電気を消して寝るという習慣をつくること、さらにいえば、寝る少し前から照明を徐々に落としてあげることで入眠の質を高めることができます。
- 周囲が騒がしい
- 寝過ぎ
- 頻尿
音楽がないと眠れないという方もいるかもしれませんが、やはり理想は音を立てないことなので、音楽なしのほうが質の高い睡眠をとれるようになります。自分が原因ではなく、周りがうるさい(家族の会話、周辺の道路工事などが原因)場合は耳栓をしたりするのもひとつの手です。最近だとカナル型のイヤホンでも耳栓と同じような遮音効果のあるものがありますので耳栓がない場合は代用として使うのもありでしょう。
「休日に、夕方頃眠くなって数時間寝てしまったら夜になって眠れなくなって朝寝坊をした」なんて経験はありませんか?これは、単純に寝過ぎによって睡眠の必要がなくなってしまい、夜眠れなくなっているだけです。夕方に眠くなっても寝ない、というのが解決策になります。当たり前のことですけどね(笑)。昼間に15〜30分程度の昼寝をすることで脳が活性化されたり、夕方に眠くなるのを防止することもできるので、休日に家でゆっくり過ごされる場合は、昼寝を上手に利用してあげるといいかもしれません。
お年を召された方に多いのが頻尿です。夜寝る前にトイレをしたはずなのに、真夜中に出そうになって起きてしまうというパターンです。頻尿の原因は男女によって異なると言われ、男性の場合は前立腺肥大症、女性の場合は膀胱炎が頻尿の原因となりやすいと言われています。前立腺肥大症、膀胱炎ともに膀胱に尿を溜める量を減らしてしまうので、トイレに行く回数が増えてしまうと言われています。尿量が多い場合は、糖尿病や腎機能の低下が疑われます。