不眠症の人にしかわからない苦労はたくさんあります。不眠症にも色々な種類があるので、不眠症に悩まされている方の中でも苦労の感じ方って異なってきたりします。不眠症になることは単純に眠りの質が下がるだけでなくて、実生活へも多大な悪影響を与えてしまいますので、しっかりと改善させなければならない問題です。不眠症が引き起こす実生活への悪影響とはどんなものがあるのでしょうか?
不眠症の方は一般的に不眠症でない人に比べると集中力が低下しやすい傾向にあると言われています。細かい作業をされるような方は集中力を求められるでしょうから、不眠症によって業績が悪くなってしまう可能性もでてきてしまいます。実際にそういった方も少なからずいます。本来、簡単にできることをミスしてしまったりすることもあるので、小さな問題と捉えないほうがいいです。
あまり知られていませんが睡眠不足は記憶力の低下を招いてしまうのです。学校のテスト前に徹夜をして暗記したはずのものが全く思い出せない、なんていうことが、とてもいい例でしょう。睡眠不足によって脳がフル回転しなくなるので、どうしても記憶力が低下してしまいます。社会においても、取引先との重要事項を忘れしまったり、重大なミスを犯してしまう可能性があるかもしれません。
不眠症になると単純に睡眠時間が減ってしまいます。毎日、4〜5時間ぐらいしか睡眠がとれないと日中または夕方にどうしても眠気がきてしまい、居眠りしそうになってしまいます。ご飯を食べると副交感神経が働くと言われていますので、特に昼食後は危険な時間帯だったりします。オフィスならまだしも、運転中の居眠りは本当に危険なので、昼間の眠気対策として、コーヒーや紅茶を飲むなどして眠気覚まし効果のあるカフェインを摂るようにするといいです。
これは実験で明らかにされています。4時間睡眠と8時間睡眠の2つのグループを作ったときに、前者は後者に比べて不安や緊張を感じやすくなる、つまり、イライラを感じやすくなる傾向にあると明らかにされました。なんとなくイライラしやすくなっているのは実は不眠症が引き起こしていたものだったのです。集中力の低下による小さなミスなどもイライラの原因となるでしょう。
女性にとって聞き捨てならないのは睡眠不足が肌荒れの原因となりやすいことです。特に入眠障害に悩まされている場合は注意が必要です。睡眠不足と肌荒れの関係に大きく作用するのが成長ホルモンです。成長ホルモンが分泌されることでお肌の調子は整うのですが、入眠3〜4時間の間に深い眠りにつけないと成長ホルモンがちゃんと分泌されなくなり、ニキビなどの肌荒れを作りやすくしてしまいます。この場合、寝つきを良くすることが大事です。
口臭の強弱は唾液の分泌量に左右されます。口臭が弱い方のほうが唾液の分泌量が多く、逆に口臭が強い方は唾液の分泌量が少ない傾向にあります。ポイントは、唾液の分泌を交感神経と副交感神経が決めることにあります。副交感神経が優位になる(=眠りにつきやすい)と唾液の分泌量は増えると言われているので口臭が気にならなくなるのに対し、交感神経が優位になる(=眠りにつきにくくなる)と唾液の分泌分泌量が減ってしまうので口臭の度合いが強くなってしまうのです。
不眠症になる=睡眠時間が短くなる、ということですね。睡眠時間が短くなると全体として副交感神経よりも交感神経が優位な時間増えます。交感神経が優位になると夜に十分に血圧が下げられなくなり、朝になっても高いままをキープしてしまい、その結果、高血圧になってしまうことがあります。高血圧が悪化すると脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎不全など血管系の病気を引き起こして、最悪の場合、死に至ることもあるので注意しなければなりません。
うつ病患者さんにはいくつかの共通点があるのですが、その中で、不眠症に悩まされているうつ病患者の割合がすごく高いことがわかっています。眠れないことで余計に考えこんでしまい、うつが発展してしまうのです。不眠症が原因でうつ病になると、睡眠薬だけでは十分に改善されにくくなるということなので事態はさらに深刻になってきます。うつ病に悩まされる前に改善させなければなりません。